お葬式のギモン

葬儀会館、お寺、自宅。葬儀ができるさまざまな場所とそのメリットとデメリット

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お葬式の場所選びは、故人を安心して送り出すためにもとても大切です。通夜と葬儀の2日間、しっかりと最後のお別れをする空間ですから、納得のいく場所で行いたいものです。今の時代だと、ほとんどの方が葬儀会館を利用していますが、実はこれ以外にもさまざまな場所で葬儀を行うことができます。この記事では、葬儀ができる場所のご紹介と、そのメリットやデメリットについて解説いたします。

公営斎場

公営斎場とは、地方自治体が管理運営する斎場のことです。自治体によっては公営斎場のないところも多数あります。

公営斎場のメリット
▶民営斎場に比べて安価
公営斎場は市民の税金で作られている施設ですから、斎場の利用料金も安価な傾向にあります。

▶火葬場併設の斎場が多い
公営斎場の多くは火葬場が併設されています。出棺後も館内を移動するだけで済むので、時間的な負担を軽減できます。また、霊柩車やマイクロバスの手配も不要となるため、費用の節約にもつながります。

▶宗教宗派を問わない
公営斎場は市民のための公共施設です。そのため原則としてどの宗教の方でも利用できます。

公営斎場のデメリット
▶人気が高く予約が取りづらい
費用が安く済み、火葬場も併設されていることから、公営斎場は総じて人気の傾向にあります。そのため予約が取りづらく、ご逝去から葬儀の実施まで数日待たなければならないことも少なくありません。

▶音響や演出の制限がある
他の利用者に迷惑がかからないよう、音響の利用や式場内の装飾・演出に一定の制限を設けているところが多く、こだわりの葬儀をしたい場合には不向きかもしれません。

▶自治体によって設備に差がある
最近では、建物の老朽化に伴い新たに斎場を改築するところが目立ちますが、一部の自治体では、築数十年にもなる建物をそのまま利用していることもあります。

民営斎場

現代の葬儀で最も多く利用されているのが民営斎場です。民間企業によって運営され、「葬儀会館」「セレモニーホール」などとも呼ばれます。また、民営斎場にも、葬儀社が保有する「自社斎場」と、お寺などが場所貸しをしている「貸し斎場」とがあります。

民営斎場のメリット
▶遺族に寄り添った立地と空間設計
民営企業によって運営されているため、利用者に満足してもらえることを前提に作られています。車や交通機関の双方でアクセスしやすいなど、立地にすぐれている傾向にあります。また、通夜と葬儀の2日間を過ごす場所として、控室、台所、シャワールームなどを完備しています。

▶演出や装飾の自由度が高い
故人が好きだった音楽をかけたり、思い出の品々を自由に飾るなど、演出や装飾などに関しても柔軟に対応してくれます。

▶ニーズに合った斎場選びができる
民営斎場には、その大きさや設計など、さまざまなものがあります。家族数名だけの小規模葬儀、お世話になった方々を多数お招きする葬儀、ご自宅さながらの雰囲気で送り出せるセレモニーハウスなど、喪主のニーズに照らし合わせながら斎場選びができます。

民営斎場のデメリット
▶公営斎場よりは割高
民間企業による運営なので、公営斎場より割高になります。

▶建物の設備は斎場によって差がある
新しい斎場であればよいのですが、古くから使われている斎場の場合、老朽化が目立つ、バリアフリーに対応していないなど、斎場によって使いやすさに差があります。

▶施行葬儀社が限られる
民営斎場は、葬儀社による自社保有が基本です。そのため、施行葬儀社が限られてしまいます。

お寺の本堂

菩提寺がある場合は、お寺の本堂を利用できます。ただし、すべての菩提寺が檀家の葬儀を受け入れるわけではないので、事前の確認が必要です。

お寺の本堂のメリット
▶厳かな雰囲気の中で葬儀ができる
伝統的な荘厳や仏具に囲まれながら故人を送り出せます。公営斎場や民営斎場にはない厳かさがあります。

▶近所の人も参列しやすい
菩提寺が家の近くにある場合、近所の人たちも無理なく参列ができます。

▶祭壇などの費用が不要
お寺にはすでに立派な荘厳が飾られているので、新たに祭壇を設置する必要がありません。また、お寺は檀家による日ごろからのお布施などで維持されているので、本堂の利用料金も安価な傾向にあり、全体的に葬儀にかかる費用を抑えられます。

お寺の本堂のデメリット
▶すべてのお寺が葬儀に利用できるわけではない
お寺での葬儀を希望しても、すべてのお寺が受け入れてくれるとは限りません。また、檀家限定とするところも少なくありません。

▶設備が整っておらず、希望の葬儀ができない
お寺は基本的に葬儀を行う場所として作られているわけではありません。お寺によっては、受付の場所がない、駐車台数が限られているなど、葬儀に適した設備が整っていないこともあります。

▶宿泊施設が整っていない
民営斎場のような控室、台所、シャワールームなど、宿泊する上で必要なさまざまな施設が整っていないところが大半です。

自宅

かつては自宅での葬儀が主流でしたが、コロナ禍以降、再注目を集めています。家族葬が多い昨今、たくさんの参列者を受け入れなくてよいことや、住み慣れた我が家から旅立つことを希望していた故人の願いを叶えたいとの想いから、自宅葬を選ぶ人が徐々に増えています。

自宅のメリット
▶費用を節約できる
自宅で葬儀をするので、斎場の利用料金が不要です。また、自宅の中に飾る祭壇が斎場用のものより小規模になるなど、葬儀費用全体を抑えられます。

▶住み慣れた場所から故人を送り出せる
「自宅で最期を迎えたい」と願う方が多いにもかかわらず、病院などで息を引き取る方が大半です。自宅で葬儀をすることで、そうした方の想いに少しでも応えることができます。入院生活を長く続けてきた故人の帰宅に涙するご家族もたくさんいます。

▶ご近所の方もお参りしやすい
斎場での家族葬だと、外部の方はなかなか参列しづらい一方、自宅であればご近所の方々にも最後のお別れをしてもらえます。

自宅のデメリット
▶祭壇や棺を設置するスペースの確保が必要
葬儀を実施するための最低限のスペースを確保しなければなりません。祭壇の設置や棺の安置、そして僧侶や親族を収容するだけの部屋の広さが必要です。その他、玄関からの導線、駐車場の確保なども念頭に入れておかなければなりません。

▶準備や清掃が負担になる
日常の生活空間を、葬儀場という非日常空間にするわけですから、家の中をきれいに掃除し、整理整頓をしなければなりません。こうした準備を負担に感じる人もいます。

▶近隣の目に触れてしまう
家族葬を希望する人の中には、身内の不幸をまわりに知られたくないという人も多くいます。自宅で葬儀をすると、お線香の香りやお経の声、葬儀社や僧侶の出入りなどで近隣の目に触れてしまいます。周囲に知られたくない人は、自宅での葬儀を避けるべきでしょう。

教会

キリスト教の信者の場合は、教会で葬儀ができます。特にカトリック信者の方の場合、斎場利用はできず、所属の教会でないと葬儀が執り行えません。プロテスタントの場合は、教会に限らず、斎場や自宅など、家族の想いを尊重してくれます。

神社

神道の場合は、神葬祭を執り行いますが、基本的に神社の境内では葬儀をしません。神道では死を穢れと考え、死後50日の忌中は、神聖な場所である神社に足を踏み入れてはならないとしているからです。どうしても境内で葬儀を行う場合は、結界を張って執り行います。

地域の公民館

地域によっては、地元の公民館を利用するところもあります。一室に祭壇などを持ち込んで、壁に幕を張ることで、葬儀場を作り上げることができます。地域住民のための施設ですから使用料金は安価です。ただし、葬儀をはじめとする宗教儀礼のための施設ではないので、使い勝手の悪さを感じることもあるでしょう。

ホテルやレストラン

最近では、ホテルやレストランでのパーティー形式の葬儀も見られるようになりました。ただし、こうした場所で行われるのは、葬儀を終えた後の「お別れ会」で、遺体を持ち込んでの葬儀は実施できません。また、お別れ会であったとしても、施設によっては遺骨の持ち込み、線香の使用を禁止しているところもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。葬儀会館以外にも、さまざまな場所でそうぎが行われていることをお分かりいただけたかと思います。まずは自分たちがどのような葬儀を望んでいるかを家族で話し合い、最適な場所を選ぶことで、納得の葬儀を実現できるものと思います。

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  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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