お葬式のギモン

【動画でわかる!】ご葬儀は黒マスク着用がマナー!? 歴史から学ぶお葬式の"黒”と"白"

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ネットに突如現れて世間を騒がせた「ご葬儀は黒マスク着用がマナー」という話。
それって本当の話? そもそもお葬式ではどうして黒が薦められているの?
今回は葬儀の歴史を紐解きながら正しいマナーのお話をしていきましょう。

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「黒マスクがマナー」はウソ。白マスクで大丈夫!

昨今の新型コロナウイルス感染症予防における問題として、公の場では様々な感染対策が話題になっています。
ご葬儀もたくさんの方が集まる場ですので、必然的にマスク着用を求められることが多くなりました。
そんな事情を背景に「"通夜葬儀などの場合はマスクも黒にすること"というマナーを見かけた」との話題がネットで浮上しました。
「お葬式に来ていく服や靴は黒、なら身につけるマスクも黒なのでは?」という疑問が騒動の発端のようです。

結論から言うとそんなマナーはございません。
黒マスクというのはここ最近に出てきた物であり、お店でもなかなか売っていない状況です。
「手に入りづらいようなものを揃えなければマナー違反になる」というマナーは、マスクに限らずご葬儀のマナーにはありません。
厳粛な場を乱さないようマナーが気にかかる、という考えも大切ですが、より大事にしたいのは故人様を悼み偲ぶ心です。
その時にお手持ちのマスクを着用していただければ十分ですので、白でも黒でも大丈夫です。

【ご葬儀=黒】になったのはほんの100年前、日本では1000年以上前から【ご葬儀=白】だった!

そもそもご葬儀の色=黒という概念は、ほんの100年ほど前に出来たものです。
むしろ1000年以上前の古来より、日本におけるご葬儀の色はでした。
白は『悲しみ』や、『神聖さ』『無垢なもの』の象徴です。
花嫁衣装が白いのも、この『神聖さ』や『無垢なもの』を表すためです。
さらにご葬儀の場では『新生』や『再生』といった意味も含みます。
そのため明治時代以前、喪主は白いかみしもでご葬儀に参列するのが通例でした。
また現代においても、例えば歌舞伎役者の方の奥様が、白い喪服を着ることがあります。

どうして白→黒に?

日本のご葬儀が黒くなったのは、明治維新を始めとする海外からの影響です。
欧米列強の葬儀を表す色は黒であり、日本も着物が洋服に変化していったように、葬儀の色に黒を取り入れていきました。
ただしこのときは上流階級の人たちだけであり、一般に広まったのはさらに後、1945年の太平洋戦争の時です。
戦争の中、戦没者の多さからお葬式の数も激増しました。
その中で何度もご葬儀をしていると白い喪服では汚れが目立ってしまうことから
貸衣装屋さんが徐々に黒い喪服を貸し始めました。
これが一般の人々にご葬儀の色=黒が広まったきっかけと言われています。

現代のご葬儀にも残っている白の文化

ご葬儀といえば黒、というイメージが先行しがちな今でも白の文化がキチンと残っているもの、ご存知でしょうか?
ご葬儀の場で見かける白と黒の縞々模様……これは鯨幕くじらまくと呼ばれるものです。
あの白黒は海外から黒の文化が入ってきた時、日本の白の習慣を守りつつもそれを取り入れる折衷の形として生まれたものだったのです。
また亡くなった方にお着せしている着物(死装束・白装束)は現代でも白色です。

鯨幕に白装束。
現代のご葬儀にも随所に白色が残っているのは、外国の文化を否定せず上手に受け入れ、新たな文化を創造してきた日本文化の良いところと言えるでしょう。

まとめ

以上、歴史から紐解くご葬儀の白と黒の意味についてでした。
今回はマスクを発端としたマナーの議論が盛り上がりましたが、
白黒つけない新たなマスクの文化を思いつきました……!
まるで鯨幕のように白マスクの上に黒マスクを掛ける…その名も『鯨マスク』です。

というのはYouTubeの動画のオチでしたが……
結論は、白マスクで全然構いませんということです!

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蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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