式後の作法・マナー

追善行事である「法要」、それぞれの意味とマナー

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「法要(法事)」とは、残された人が故人のためを思って行う追善行事のことです。キリスト教や神道においても故人を偲ぶためにみんなで集まる、という習慣はありますが、今回は仏教の法要(法事)についてのみ解説していきます。

四十九日法要の概要と、参列者や服装

「四十九日法要」とは、故人が冥途(※一部の宗派は除く)の旅を終わらせて、裁きを受けるタイミングで行うものです。四十九日法要は、多くの場合、葬儀後初めての法要となります。実は四十九日法要の前に「初七日法要」「二七日法要」「三七日法要」「四七日法要」「五七日法要」「六七日法要」が存在しますが、現在は初七日法要は「繰り上げ初七日法要」として火葬の直後に行われることが多く、二七日法要~六七日法要は省略されるケースが一般的だからです。
四十九日法要は、ご家族はもちろん、ご親族やご友人まで呼んで行うことが多く、その範囲は比較的広めだといえます。また、服装は喪家・参列者、どちらも準喪服が基本です。なおこれは四十九日法要に限ったことではありませんが、学齢期のある子どもならばすべて制服で出席するかたちで問題ありません。制服は子どもの第一の礼装だからです。着崩さないようにして、きれいに着用しましょう。未就学児の場合は、黒と白のセレモニー用ワンピースなどがあればそれを着ます。ただしパステルカラーのロンパースやワンピース、シャツとズボンでも問題ありません。極採色などの派手すぎる色でない限りは問題ないでしょう。
四十九日法要は、ご僧侶を招いて行う法要(法事)であり、開催場所は法要会館や寺院などです。なおこの「ご僧侶を招いて法要(法事)を行い、開催場所は法要会館や寺院」は、以下の法要(法事)、いずれでも言えることです。そのため、今後はこの表記は省略します。ただ、亡くなってから時間が経つに従い、ご僧侶を呼ばないで行う形式に変わっていくことが多いといえます。したがって、会場も寺院や法要会館ではなく、自宅が選ばれるように変化していくケースが大半です。四十九日法要のときには、遺影やご遺骨を持参しましょう。このタイミングで納骨を行う場合もあります。

一周忌法要の概要と、参列者や服装について

一周忌法要は、故人が亡くなった翌年に行うものです。ご家族やご親族が参列するのが基本ですが、故人と極めて親しく付き合っていたご友人がいるのならば、彼ら・彼女らに声をかける場合もあります。服装は、ご家族と参列者で異なります。ご家族の場合は準喪服を着用しますが、参列者はそれより一段階低い「略喪服」で参列することになります。
現在は、一周忌法要もしくは四十九日法要のタイミングでご遺骨を納骨するのが一般的です。四十九日法要の段階で納骨が終わっていなければ、この一周忌法要のタイミングで納骨することを考えるとよいでしょう。
なお「遺影」に関しては、これは原則として四十九日までしか飾らないものです。そのため一周忌法要の段階では持っていく必要はないでしょう。もっともこのあたりは地方差があり、「遺影はずっと処分しない。先祖代々の遺影を、ずっと和室に飾っている」というところもあります。
いずれにせよ、納骨のタイミングも遺影処分のタイミングも、明確な定めがあるわけではありません。このため「多くのケースでは、一周忌前に納骨をし、四十九日が終わったころに遺影を処分する」とはいえますが、「遅くても一周忌までには納骨をしなければならないし、四十九日が過ぎたらすぐに遺影を処分しなければならない」とはいえません。

三回忌法要の概要と、参列者や服装について

三回忌法要は、「故人が亡くなって丸2年が経ったとき」に行われるものです。

つまり2018年の10月10日に亡くなった場合、
1.2018年の11月に四十九日法要
2.2019年の10月に一周忌法要
3.2020年の10月に三回忌法要
となります。三回忌が「2021年」ではない点に注意してください。

三回忌法要となると、参列するのはご家族・ご親族までです。原則としてご友人には声をかけません。ただし「50年来の付き合いがあった友人だ」「亡くなっても1か月に1回程度はお墓参りに行ってくれている」「故人のエンディングノートに希望が記されていた」などのように、家族同然に特別親しく付き合っていた人ならば声を掛けてもよいでしょう。
服装は、基本的には一周忌法要に準じます。ただしご家族から「平服でお越しください」というご希望があった場合は、それに従います。なおこの「平服」と「普段着」はイコールではありません。平服で、という指定があった場合でもTシャツやジーンズ、ノースリーブの服やミニスカートなどは避け、落ち着いた色合いで清潔なシャツとパンツ、ワンピースなどを着用しましょう。
この段階だと、ほとんどの人は納骨を済ませているかと思われます。そのため、法要(法事)の席にはご遺骨を持っていくことはできません。お墓参りのときに故人にしっかりと挨拶をすればよいでしょう。もちろん上でもお話したように、「まだ納骨していないので三回忌法要のタイミングで納骨する」「まだまだ手元で供養していたい」ということで、手元にご遺骨が残っているのであれば、これを持参しても構いません。遺影に関しても、家に残してあるのなら持って行ってもよいでしょう。

それ以降の法要について

三回忌法要以降も、法要(法事)は続きます。七回忌法要→十三回忌法要→十七回忌法要→二十三回忌法要→二十七回忌法要→三十三回忌法要→三十七回忌法要(略されることがとても多い)→四十三回忌法要(略されることがとても多い)→五十回忌法要→百回忌法要……と進んでいきます。
ただし、実際には三十七回忌法要以降の法要(法事)が行われることはほとんどありません。なぜなら「弔い上げ」という考え方があるからです。これは、「ここまでで法要(法事)は終わりとし、今後は法要(法事)を行いません」とすることをいいます。かつては三十三回忌法要や五十回忌法要のタイミングで弔い上げとすることが多かったのですが、宗教への帰属意識が薄まってきている現在においては、十三回忌法要などで弔い上げをするご家庭も増えています。
なお、特に「菩提寺との間でトラブルがあった」「故人が小さな葬送を希望していた」「人付き合いが活発ではない」「全員が遠方に住んでいて、集まるのが難しい」などの場合は、七回忌で弔い上げとすることもあります。ちなみに一般的に法要(法事)のときの不祝儀袋は、黄色と白あるいは黒白、もしくは双銀か双白の結び切りの水引が使われますが、弔い上げの場合は「ここまできちんと弔うことができました」として、赤白の結び切りの水引を使う場合もあります。
法要(法事)は、回数が多くなるに従い、呼ぶ範囲が狭くなっていきます。どこまで呼ぶかはご家庭の考え方にもよりますが、弔い上げくらいのときになると、ご友人が参列する可能性はほとんどないでしょう。また服装も簡略化されていきますし、ご僧侶を呼ばないで、家で手を合わせてお墓参りを行うだけにする、というやり方が選ばれやすくなります。いずれにせよ、法要(法事)に明確な「こうしなければならない」というルールはありません。ご家族で話し合って、「故人と自分たちにとって最適な法要(法事)のかたち」を模索していくとよいでしょう。

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蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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