式中の作法・マナー

お通夜で喪服はマナー違反? その答えと理由を詳しく解説します!

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お通夜に喪服を着ていくのはマナー違反なのでしょうか? あるTwitterユーザーの方が「喪服で参列してしまうと、あらかじめ故人が亡くなるのを待っていたと受け取られる可能性があるため、モノトーンの普段着で行くべきだ」と主張し、これを巡ってインターネット上でさまざまな議論が交わされました。
実際のところ、お通夜に喪服はマナー違反なのか。葬儀屋さんが解説いたします。

結論 お通夜は喪服で参列しても大丈夫

まずはじめに結論を述べますと、

お通夜で喪服を着用することはなんら問題ありません。

むしろ昨今ではお通夜の服装は喪服の方がスタンダードだと言えるでしょう。私たち西田葬儀社がお手伝いする現場でも、お通夜に参列する方の多くは、喪服を着用してご来場されます。

お通夜は喪服と平服のどちらでもよい

では逆に、「絶対に喪服でなければいけないのか」というと、そんなこともありません。夕方に行われるお通夜の場合、仕事帰りに駆けつけなければならないという方も少なくなく、平服での参列でも構わないとされています。実際にお仕事のスーツ姿や、作業着で参列するという方もおられます。
喪服に着替えることに固執したために、夜の8時や9時といった遅い時間の参列になってしまうと、参列者自身にも、受け入れる遺族側にも大きな負担となってしまいます。
服装マナーはもちろん大切ですが、まずは葬儀会場まで駆けつけて故人様に最後のお別れをすること、そして遺族にいたわりの言葉をかけることを優先すべきでしょう。

平服=普段着じゃない 最低限守るべきマナー

ただし、弔いの儀式に参列するわけですから、どんな格好でもいいというわけではありません。

「平服」とは一般的に、黒や紺やグレーなどのスーツ姿を指します。

よく「平服=普段着」と認識する方がおられますが、カジュアルな服装や極度に目立つ服装は避けるべきです。通夜の服装については、この記事の最後の方でまとめていますので、そちらを参考にしてみて下さい。

通夜の喪服がマナー違反と捉えられる理由

喪服は本来お葬式で着用すべきものですが、どうして通夜の着用がマナー違反と考えられているのでしょうか。
例のTwitterユーザーの方が指摘しているように、

〇訃報を受けてから通夜まで時間がない
 ↓
〇時間がないのに喪服が準備できた
 ↓
〇あらかじめ故人が亡くなるのを待っていたのでは?

…という感じに受け取られ、遺族に不快な思いをさせてしまうかもしれないという配慮から生まれたものだと思われます。

こうした葬儀のマナーは他にもあります。

【香典に新札は使わない】
お香典に包む紙幣は新札を使うべきでないとされていますが、これも「普段なかなか手に入らない新札を用意できるのは、事前に葬儀を予期していたからだ」と、受け取られかねないからだとされています。

【香典の表書きは薄墨の筆で書く】
お香典袋の表書きには黒ではなく薄墨の筆を使います。これには「哀しみの涙で墨がにじんでしまった」「急いで駆けつけるために墨を摺る時間がなかった」などの意味が込められています。

例のTwitterユーザーの方の指摘は、こうした葬儀の風習に連なるもので、悲しみに暮れる遺族への配慮から生じたものと言えるでしょう。

お通夜で喪服の着用が一般化した理由

西田葬儀社は名古屋にあるため、あくまでもこの界隈の話になってしまいますが、最近はお通夜でも喪服を着用して参列する人が多い傾向にあります。かつては平服での参列も少なくありませんでした。どうしてお通夜に喪服を着用するようになったのか。その理由を、3つの視点から考察いたします。

【喪服の準備に時間の余裕ができたため】
ひと昔前では、亡くなった当日にお通夜を執り行うということも少なくありませんでした。こうした場合であれば、喪服が間に合わないという状況が起こりえるでしょう。最近はご逝去の翌日、または翌々日に通夜を執り行うことが多いため、以前に比べると喪服の準備に時間をとりやすくなったと言えるかもしれません。

【葬儀の場所が自宅から会館に変わったため】
かつては自宅で葬儀をする方が多く、近所の方々が普段の服装で弔問する、という光景もあちこちで見られました。昨今は葬儀会館の利用が一般的で、改まった服装をしなくてはならないという意識が働いてしまいがちです。お葬式が自宅という、日常の生活空間と地続きの場所で行われていたのに対して、現代の葬儀は日常から隔絶された場所で行われていることから、参列者側も喪服を着て、身なりを改めなければ、という心理が働くのかもしれません。

【家族葬が増えたため】
昨今は家族葬が主流となったため、そもそも外部の方の参列が少なくなりました。家族や親族であれば、翌日の告別式では必ず喪服を着用しますので、それにあわせて前日の通夜も喪服にするのが自然な流れです。

改めて再確認。通夜に着ていく服装のマナー

ここまで、お通夜の参列に喪服がマナー違反かどうかについて、さまざまな角度からお伝えしてきました。ここでもう一度、お通夜の服装についてまとめておきます。

▶正喪服
もっとも格式の高い喪服。男性はモーニングまたは和装。女性は和装。

▶準喪服
もっともスタンダードな喪服の姿。最近は喪主、遺族親族、参列者ともに準喪服の着用が一般的。男性は黒のフォーマルスーツ。女性は黒のフォーマルドレス(アンサンブルやワンピース)。

▶平服
黒、紺、グレーなどのスーツ姿。

この記事のポイントは、一般参列者が通夜に駆けつける場合、「準喪服」か「平服」かという点でしたが、最終的な結論は以下の通りです。

・時間の余裕があるのなら、「準喪服」を着用しましょう。
・時間に余裕がない場合、「略喪服(平服)」でも構いません。
・平服と普段着は異なります。可能な限り地味目のスーツ姿を着用し、カジュアルな服装や華美な服装など、葬儀にふさわしくない服装は避けましょう。

いかがでしたでしょうか。このテーマに関しては西田葬儀社のYouTubeチャンネルでも動画を配信していますので、どうぞこちらもご覧ください。

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  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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