社員ブログ

名古屋の葬儀担当者の触れた物語 6

西田葬儀社の浅井です。

リピーター、のご葬儀というのも当然あります。
よく言われるのですが、葬儀が終わって一息ついてご家族から「またお願いしますね。とは言いにくいですよね」
なんて声掛けをいただきます。そりゃそうです。
我々の仕事は望まれる事などありません。消防士さんみたいなものですね。
お葬式も、火事にしたって無いに越したことはない。そうでしょう。
それでも、「以前お世話になりました〇〇ですが、また浅井さんにお願いしたいと思いまして、、」
と言われるのは手放しで喜べませんが、嬉しいものです。

以前はお母さんを、次はお父さんを。
お話をいただいたのは、遠方から名古屋に嫁いできて、たった一人の娘さんが
ご両親を送るお葬式でした。
名古屋で看取ったご両親。娘さんには兄弟もおらず、ご両親の身寄りも無い。
言い方を変えれば、地球上に血の繋がった唯一の肉親がこの世を去る時。

私の話ですが、お葬式のお手伝いをする時、どれだけご遺族の心情を推し量れるか。それを念頭に置きます。
そう教えられましたし、今でも肝に銘じています。
でも大切な人を亡くした気持ちとは、近づくことはできても「わかる」とは決して言えません。
例えば、同じ立場の人を亡くしても「わかる」事などはないと思います。
どれだけの苦労をして、つらい事も苦しいこともあって、
筆舌には尽くしがたい事が、そりゃあったので同じ気持ち等はないのでしょう。
だから、私は葬儀担当者としてご遺族とお話をさせていただく時、葬儀の知識や
風習、流れや手順についてはべらべらとしゃべりますが、気持ち的に事には軽々に返事をしません。
というよりできない。

たった一人の娘さんが最後、棺の蓋を閉めて出棺する間際、涙を堪えられずつぶやくように尋ねられました。
「父は寂しがり屋で、寒いのが苦手だったんです。これから、寒くはないでしょうか」
慰めになれば、せめて気休めになればと思い、逡巡し応えます。
「・・・寒くないですよ」それが精いっぱいでしたし、それ以上は必要ないと思いました。
なにも知らない私が精一杯案じての言葉。
後日、気持ちに届いたと娘さんに言われた時は胸を撫でおろすことができました。

それだけ想われた人が、向こうで辛いことなどあるわけが無い。そう思いませんか?

  • この記事を書いた人
浅井 真人

浅井 真人

一番大切な人とのお別れを、自信をもって満足していただくお手伝いさせて頂きます。

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