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渋沢栄一と蟹穴主義 ~葬儀社社員日記~

皆様こんにちは。西田葬儀社の蜷川です。
突然ですが皆様に問題です。現在の一万円札に描かれているのは福沢諭吉ですが、
では次の一万円札に描かれる偉人は誰かご存知でしょうか?
それが今回のブログのタイトル、渋沢栄一です。
日本資本主義の父と呼ばれ、生涯500以上の会社設立に関わりました。
28歳のときにパリ万博を見る為にフランスに行き、
そのヨーロッパで学んだ知識を日本で活かし、日本の経済に大きく影響しました。
例えば日本で初めて株式会社を設立したのは渋沢栄一ですし、
外国の御客をもてなせるように、東京の帝国ホテルの建設を発起したり、
100年近くたっても今も日本を支えている会社、
例えば現在のみずほ銀行や王子製紙、東京ガスや東京海上日動なども全て渋沢栄一が関わっています。
渋沢栄一を象徴するのは、名著「論語と算盤」です。
論語とは中国の孔子の教えで道徳などを説き、算盤(そろばん)とは経済や商売を大きく意味しています。
江戸時代以前の日本では、この道徳と商売というのは分離されていました。
論語は主に武士に学ばれ、商人は論語などの道徳に触れる機会がほとんどなかったのです。
しかし渋沢が言うには、商人こそ道徳の教えである論語を学ぶべきであるというのです。
商人というと、沢山儲けるためには、ずる賢くやっていかなければいけないイメージもあるかもしれません。
しかし、沢山儲けたとしても、取引先やお客様に嫌われてしまったら
その時はよくても、いずれ持続できなくなってしまいます。
道徳心を持って末長く愛されることこそ、長い目で見たら商売にとって最も必要なことかもしれません。
目先の儲けることではなく、道徳心を持ってお客様を大切にすることを、この時代に提唱していたのです。
そのような渋沢の教えによって設立した会社だから、100年近く経っても淘汰されずに
今も日本の経済界を支えていける力があるのでしょう。
また渋沢のもうひとつの教えとして「蟹穴主義」というものがあります。
蟹は穴を掘るとき、自分の体の大きさの穴しか掘らないということです。
人間ですとつい欲が出て、自分以上の大きな穴を掘りたくなってしまいますが、
渋沢が言うには、掘った穴の大きさを誇るのではなく
自分の力量を見定めて自分のできることをしっかりやっていくことが重要だと説いています。
自分のできないことの範囲が分かれば、自分のできることにより集中できます。
特に人間が考える不安や悩みは、大抵自分の力ではどうすることもできないことなのです。
だからこそ、自分のできることに注力して、そして道徳心をもって行動する…
日本の経済を発起し、そして商売の真髄を今に伝える渋沢は、一万円札にまさに相応しい人物だと思いました。

  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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