お葬式のギモン

葬祭ディレクターってどんな資格? 本当に安心して任せられるのかを分かりやすく解説します

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葬儀の満足度は葬儀社で決まると言われています。しかし巷にはたくさんの葬儀社があり、どこを選べばよいのか、頭を悩ませてしまうものです。
そこで、優れた葬儀社かどうかの判断の基準となるのが葬祭ディレクターの存在です。葬祭ディレクターとは、葬儀のプランニング、ご遺体の処置、セレモニーの進行、そして葬儀後のアフターフォローまでを取り仕切る、いわば葬儀のスペシャリストのことです。
 
この記事では、葬祭ディレクターがどのような資格なのか。技能試験の内容や、葬祭ディレクターが実際に行っている現場での仕事などについて、詳しく解説して参ります。

葬祭ディレクターは、厚生労働省の認定資格

葬祭ディレクターは、1996年に「全日本葬祭業協同組合連合会」と「全日本冠婚葬祭互助協会」が創設した、葬儀を施行するために必要な知識や技術を有していることを証明する民間資格です。
 
葬祭ディレクターの一番の特徴は、葬祭ディレクターの資格を取得するための技能試験を厚生労働省が認定しているという点です。「葬祭ディレクター技能試験」は、平成8(1996)年3月に厚生労働省(当時、労働省)より技能審査として認定を受けています。

葬祭ディレクターの意義と目的

「葬祭ディレクター技能試験」のウェブサイトを見てみると、葬祭ディレクターの創設を「葬祭業界に働く人々の、より一層の知識・技能の向上を図ることと併せて、社会的地位の向上を図ることを目的としてい」ると示されています。
 
この技能試験によって、創設から26年で、1級と2級をあわせて約37,000人に及ぶ葬祭ディレクターが生まれました(2023年現在)。
 
葬祭ディレクターの意義は主に次の3つです。

消費者への安定したクオリティのサービス提供

葬儀社スタッフのクオリティは玉石混交で、「実際に葬儀を依頼してみたらとても残念だった」という状況は、喪主となる消費者にとっては大きな損害を与えます。
大切な家族の最後のお別れの場だからこそ、ホスピタリティの高さが求められます。葬祭ディレクターは、業界全体でサービスのクオリティを底上げし、ホスピタリティ溢れるサービスを、満遍なく均一に提供するために作られました。

葬儀社スタッフへの客観的評価

喪主からすると、目の前の葬儀社スタッフがどれだけの能力を持っているか、ふたをあけてみなければ分かりません。
業界内の統一資格を設けることで、一定の能力を有しているかが客観的に分かり、喪主の安心感につながります。

葬儀業界の社会的地位向上

葬祭ディレクターには葬儀業界側からも「社会的地位を向上しなければ」という想いがありました。多死社会と呼ばれている昨今の日本において、葬儀社の社会的重要性はさらに高まり、昔のように「葬儀屋は汚い」「忌避される仕事だ」などの声はかなり減少したのではないかと感じています。映画『おくりびと』のヒットや、昨今の葬儀業界の流れを見ていると、葬祭ディレクターの存在も、その一端を担っているものと思われます。

葬祭ディレクターは国家資格ではない

よく勘違いされるのは、「葬祭ディレクターは国家資格だ」というもの。葬祭ディレクターはあくまで葬儀業界の中で設けられた資格であり、国家資格ではありません。ですから、葬祭ディレクターの資格を持っていなくても、葬儀社の経営や葬儀の施行そのものは実施可能です。
 
しかし、葬祭ディレクターになるには、一定の実務経験(1級は5年以上、2級は2年以上)が必要で、学科と実技の試験を受けなければなりません。民間資格とはいえ、ディレクター資格の有無が、そのスタッフの能力を示す分かりやすい判断基準になっていることは間違いありません。

葬祭ディレクター技能試験の内容

葬祭ディレクターには1級と2級があり、それぞれ受験資格や審査内容が異なります。
葬祭ディレクター技能審査ウェブサイトの情報を基にまとめました。

1級葬祭ディレクターの受験資格と試験内容

受験資格

葬祭実務経験を5年以上有する
2級合格後、2年以上葬祭実務経験を有する者

技能の範囲

全ての葬儀における相談、会場設営、式典運営等の葬祭サービスの詳細な知識と技能

試験内容

・学科試験 100問(50分間)
・実技試験 幕張・接遇・司会・実技筆記試験

2級葬祭ディレクターの受験資格と試験内容

受験資格

実務経験を2年以上有する
ただし、協会認定の教育機関でカリキュラムを修了した者は、その期間を実務経験として算入できる

技能の範囲

個人葬における相談、会場設営、式典運営等の葬祭サービスの一般的な知識と技能

試験内容

・学科試験 50問(30分間)
・実技試験 幕張・接遇・司会・実技筆記試験

葬祭ディレクターが持ち合わせるべき能力

お葬式では、短期間でさまざまなことを決めなければなりませんし、それにかかる費用も大変高額になります。
加えて、大切な家族を失った悲しみの中で、葬儀の詳細を決めて実際に進めていかなければなりません。だからこそ葬祭ディレクターには、
 
・ご遺族の悲しみを受け止めるメンタルと傾聴力
・ご遺族の想いを汲み取りそれを目に見える形にする提案力
・それらを分かりやすい言葉で説明する言語化能力
 
…など、人としての総合力が求められます。
正直、これらを修得して、悲しみに暮れるお客様に喜んでいただく仕事をするのは、簡単なことではありません。
 
しかし、だからこそ、ご遺族にとって大切な方の葬儀を満足感あふれる形でお手伝いできることは、喜び以外の何者でもなく、大変やりがいのあるお仕事です。

葬祭ディレクターの仕事の内容

葬祭ディレクターの一番の仕事は、お葬式そのもののプランニングとセレモニーの進行です。このようにしてみると、頭脳労働、肉体労働、衛生的な保全やセレモニーの進行など、その仕事がいかに多岐に渡るかが分かるかと思います。
 
・故人のお迎え。病院や警察とのやりとり
・死亡届などの役所への届け
・遺体の安置と死後処置
・遺族の想いのヒアリングと、葬儀のプランニング
・宗教者(僧侶や宮司など)との調整
・式場、火葬場の手配
・納棺(故人の湯灌、ラストメイク、旅支度など)
・式場内の設営ならびに撤収作業
 
これら以外にも、これから葬儀を考えている方の事前相談や式場見学の案内などもあります。また、終活セミナーやYouTubeなどでの情報発信においても、葬祭ディレクターだからこそ誤りのない正しい知識の提供ができます。
 
加えて、葬儀を終えたあとの供養や仏事(仏壇やお墓や法事など)も、葬祭ディレクターがケアすべき大切なお仕事です。

葬祭ディレクター在籍の葬儀社は安心できる

このように、葬儀社選びの際は、葬祭ディレクターが在籍しているかどうかが、目安の一つの基準になることがお分かりいただけたかと思います。
 
もちろん、ディレクター資格を持っているだけではなく、お客様との日々の向き合い方や知識や技能の向上に向けた取り組みを日常的に行っているかが大切です。
 
私たち西田葬儀社には、2023年4月現在で、7名の1級葬祭ディレクターが在籍しています。そしてこのブログ記事「にしペディア」や、YouTubeチャンネルなどを通じて、葬儀について分かりやすい情報発信に努めています。
 
正しい情報を定期的にアウトプットするということは、それだけの量のインプットが求められることを意味します。僭越ではありますが、西田葬儀社の葬祭ディレクターは、これからもお客様やご遺族様のために、日々さらなるレベルアップに努めてまいります。
 
葬儀のことでお悩みの方は、どうぞ、西田葬儀社の葬祭ディレクターにご相談下さい。

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蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

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