式中の作法・マナー

社葬のマナー。訃報が届い時の対応や参列時に気を付けること

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社葬とは、企業の創業者やその企業に貢献した社員が亡くなった時に、企業が主体となって実施する葬儀のことです。社葬の参列には、故人の供養はもちろんのこと、取引先や関連会社とのつながりをたしかめあう意味合いもあります。だからこそ、社葬のマナーをきちんと押さえて、失礼のないよう参列したいものです。この記事では、社葬の参列マナーについて詳しく解説いたします。

訃報が届いたときにすべきこと

社葬の訃報は、案内状、電話、メール、FAX、新聞の死亡記事や死亡広告などで知らされます。訃報が届いたときに、まずどのような対応をすべきかを解説いたします。

詳細を確認する
事実の詳細について確認をします。「いつ」「どの会社の」「誰が」亡くなったのか。そして、葬儀日程の場所や日時、担当の葬儀社、葬儀委員長が誰かなどを把握します。
訃報が届いたら、まずはその内容をきちんと把握した上で、お悔やみも兼ねて、担当社員が相手方の担当者に直接連絡を入れましょう。

誰が参列するかを決める
故人より下の役職者が参列するのは失礼にあたります。社葬に参列する人物は、同等以上の役職者であることが基本です。たとえば、故人が社長であれば社長が参列し、故人が部長であれば部長クラスの社員以上の人物が参列します。どの階級の人物が参列するかによって、その企業に対する姿勢を示すこととなります。
参列すべき人物の都合が合わず、どうしても参列できない場合は代理人が参列し、弔電を出し、後日改めてお悔やみの手紙を送るとよいでしょう。代理人は本来参列するはずだった人物の名刺を持って参列します。
社葬の参列は、「通夜のみ」「告別式のみ」「両日」のいずれでも構いませんが、より厚い弔意を示したいのであれば両日参列をします。
また、特に親交が深い企業であれば、お手伝いのために社員を派遣できる旨を伝えてもよいでしょう。

香典・供花・弔電などの手配
最近は、香典などの弔意を辞退するケースも少なくありません。弔意に関する意向は、主に次の3つに分けられます。

●香典、供花、供物など、すべての弔意を受け取る
●香典のみ辞退し、供花や供物は受け取る
●香典、供花、供物など、すべての弔意を辞退する

まずは訃報を受け取った段階で、相手方の意向をきちんと把握してから対応しましょう。

▶香典
社葬における香典の相場は、3万円~5万円です。ただし、企業間のつながりの深さによって5~10万円、場合によっては20万円程度を包むこともあるようです。香典袋の表書きは宗教によって異なります。仏式なら「御香典」や「御霊前」、神式なら「御玉串料」や「御神前」、キリスト教だと「御霊前」や「献花料」などです。香典袋は、ふくさや小さな風呂敷に包んで持参します。

▶供花・供物
祭壇脇に飾るお花のお供え(供花)や、果物籠や缶詰籠など(供物)の対応は、基本的には施行葬儀社に依頼しますので、直接問い合わせて注文しましょう。葬儀によってはお花の種類や金額を統一していることもあるので、その意向に沿う形で贈ります。また、供花や供物には差し出し人の名前を立札で示す慣例があります。芳名板にどのように記載するか、メールやFAXなどでやりとりをします。

参列時のマナー

実際に社葬に参列する際には、どのような点に注意をすればいいのでしょうか。

受付のマナー
葬儀式場に到着したら、まずは受付に向かい、記帳、そして香典を差し出します。

1.記帳
会社を代表して参列する場合、会社名、参列者の役職と氏名、そして会社の住所などを記します。もしも代理人が参列する場合は、本来参列すべきだった人の名前や住所などを記入し、最後に(代)と書いておきます。

2.名刺
また、社葬では名刺を差し出すのが慣例です。その際、右上に「弔」の字を書きます。代理の参列の場合は、本来参列すべき人の名刺に「弔」を、代理で参列する人の名刺に「代」と書いて、2枚差し出します。

3.香典
香典は袱紗や風呂敷に包んで持参します。そして受付に差し出す際に袱紗から取り出して、受付台の上に置かれているお盆に乗せて差し出します。その際、「このたびはご愁傷さまでございます」とお悔やみの言葉を述べます。

参列時のマナー

焼香のマナー
焼香は、一般的な作法と変わりません。また、神式の場合は玉串奉奠、キリスト教式や無宗教葬、お別れ会などでは献花を行います。

▶焼香(仏式)
①祭壇前に進み、霊前に向かって一礼する。
②親指、人差し指、中指で抹香を摘み、香炉の中の火種に落とす。
③煙が立ち上がるのを確認して、合掌、礼拝をする。
④霊前に、そして遺族に対して一礼し、退く
※焼香の数は宗派によって異なりますが、参列者が多い社葬では1回で済ませることが多いです。

▶玉串奉奠(神式)
①祭壇前に進み出て、神職より榊を手渡される。左手に葉、右手に根元を持つ。
②霊前に向かって一礼する。
③玉串を右に90度動かす。葉を祭壇側に、根元を手前にする。
④左右の手を持ち替えて、さらに右に180度回して根元を祭壇側に向ける。
⑤祭壇に玉串を置いて、二礼二拍手一礼をする。
⑥遺族に対して一礼し、退く。
※葬儀では「二拍手」で音を立てません(しのび手と言う)

▶献花(キリスト教式、無宗教葬、お別れ会など)
①祭壇前に進み出て、神父と遺族に一礼する。
②献花台の遺影に向かって一礼する。
③花の根元を祭壇側に向けて、献花台に捧げ、一礼する。
④神父、遺族に一礼し、退く。

弔辞
弔辞を依頼されたら、断らずに引き受けるのがマナーです。弔辞では、故人の業績や生前の人柄、そして遺族や企業への哀悼の意を述べます。個人的な思い出などを語ることで、より深みのある弔辞となることでしょう。
ただし、あまり冗長になるのもよくありません。奉読時間の目安は3分から5分。文字数にして1000字前後です。また、文章の中で「忌み言葉」を使用しないよう気を付けましょう。

▶主な忌み言葉
●繰り返しの表現(ますます、たびたび、重ね重ね など)
●生死の直接的な表現(死ぬ、急死、生きていた など)
●不吉な表現(消える、落ちる、浮かばれない、四、九 など)

参列時のマナー違反
社葬では、参列者同士の名刺交換や、世間話、さらには商談や打合せはNGです。会場にはおそらく多くの業界関係者が集まることでしょう。その中で、知り合いの人と出会うことでついつい仕事の延長にいるような感覚に陥ってしまいます。社葬はあくまで故人を哀悼する儀式です。簡単なあいさつに済ませる程度にし、私語や雑談は慎みましょう。

服装のマナー

服装は、社葬だからといって、一般的な葬儀と特別異なる点はありません。男女ともに黒のブラックフォーマルで参列します。もしも案内状に「平服でお越しください」と記されている場合は、黒、紺、グレーなどの地味目な色柄のスーツスタイルにします。

男性の場合
ブラックスーツ、白ワイシャツと黒のネクタイが基本です。平服で参列する場合は、黒、紺、グレーなどのスーツを着用します。革靴は黒のストレートチップ、靴下も黒で統一します。

女性の場合
ブラックフォーマルを着用します。黒のアンサンブルが最も選ばれていますが、スーツ(ツーピースやパンツスーツ)でも構いません。平服でも構わない場合は、黒や紺やグレーのアンサンブル、スーツ、ワンピースなどを着用します。足元は黒のパンプスに黒のストッキングにします。アクセサリーはつけないのが基本ですが、結婚指輪はよしとされています。

いかがでしたでしょうか。社葬の訃報を受け取った時の対応はぜひともこの記事を参考にしてみて下さい。さらに詳細について知りたいという方は、どうぞお気軽に西田葬儀社にご相談下さいませ。

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  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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