式前の作法・マナー

後悔のないお葬式にするために。葬儀の事前準備のススメ

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お葬式では、喪主が判断しなければならないこと、準備しなければならないことがたくさんあります。人生で一度あるかないかの喪主の経験ですから、何も知らないままに葬儀が進んでしまい、「何が何だか分からなかった」「思うような葬儀ができなかった」「費用が思った以上に高くついた」など、不満が残るものになってしまいがちです。葬儀の事前準備をしておくことで、お葬式がより満足のいくものになります。この記事では、葬儀に先立って事前に準備しておいた方がいいことについて、詳しく解説いたします。

事前準備のメリット

お葬式の事前準備をしておくことで、次に挙げるようなメリットがもたらされます。
いざという時に慌てずに済む
事前準備の一番のメリットは、葬儀に対して慌てずに向き合うことができる点です。大切な方との最後の時間。誰もがゆっくりと落ち着いて故人と向き合いたいと考えるものです。しかし、葬儀の準備が何一つできていないと、決めなければならないこと、準備しなければならないことなどに忙殺されてしまい、故人を送り出すための葬儀が、葬儀をするための葬儀になってしまいます。
葬儀を行う上で決定すべきこと、準備すべきものに予めとりかかっておくことで、いざ葬儀の本番を迎えた時に、余裕を持って故人との時間を過ごし、しっかりと送り出すことができます。

葬儀社を冷静に比較検討できる
元気なうちに葬儀の準備にとりかかることで、葬儀社を冷静に比較検討できます。葬儀社の数はたくさんあり、どこを選ぶべきか迷ってしまうものですが、現代の葬儀はいい葬儀社との出会いが、葬儀の満足度を決定づけるといっても過言ではありません。
不幸が起きてから葬儀社を探し出すと、限られた時間の中で急いで決めなければなりません。元気なうちに葬儀社を探しておくことで、安心して任せられる葬儀社に出会えるでしょう。予算だけではなく、会館設備、スタッフの人柄、葬儀社の実績など、総合的に判断して自分に見合った葬儀社を探しましょう。

予算計画をしっかりと立てられる
葬儀はとても高額なお買い物です。事前にどれくらいの費用がかかるかを知っておくことで、予算計画を立てられます。まずは葬儀社に見積もりを出してもらいましょう。そして、自分たちが希望する葬儀にどれくらいの費用が掛かるかを把握することによって予算計画を組み立てることができます。家族と相談してお金を出し合ってもいいでしょうし、積み立てや葬儀保険を活用するなどの方法もあります。

事前準備でしておくべきこと

この章では、葬儀の事前準備でしておくべきことをまとめました。ここに挙げた内容の一つでも決めておくだけで、葬儀の流れがとてもスムーズになるでしょう。どうぞ参考にしてみて下さい。

喪主の決定
喪主とは、葬儀を取り仕切る人のことです。喪主が決まらないことには葬儀が進みません。まずは誰が喪主を務めるかを考えましょう。喪主がしなければならないことは以下の通りです。

葬儀の取り仕切り
親族や参列者への連絡、お迎え
宗教者とのやりとり
葬儀後の供養

誰が喪主を務めるかの法的な決まりはありません。家族や親族の中で「この人!」と合意が取れればそれで構いません。最も適しているのは、葬儀だけにとどまらず、その後のお寺や仏壇やお墓などで故人を主体的に供養する人(祭祀承継者)でしょう。
中には、葬儀の喪主と、その後の供養の主体者を分けることもあります。たとえば喪主は海外に在住している長男が務め、その後の供養は故人と共に暮らしていた次男が務める、というようなケースも充分に考えられます。また、故人の配偶者を喪主に立て、葬儀社との契約や支払いは長男が行うなど、喪主の役割を分担することもできます。

訃報連絡のリスト
事前に訃報連絡のリストを作っておけば、いざという時に安心です。訃報連絡で頭を悩ますのは2点です。
ひとつは「誰に連絡すればよいか」ということ。故人の交友関係を家族が把握できていればいいのですが、もしも把握できていなければそもそもどこに連絡すべきかが分かりません。
そして、もうひとつは「どこまでのことを知らせればよいか」ということです。訃報の事実のみを連絡するのか、葬儀の参列もお願いするか。家族葬が主流の昨今、この線引きが難しいのです。
故人がご逝去を迎えたら、ただちに関係の濃い人から連絡していかなければなりません。そして、その都度これらを判断していると、時間もかかってしまいますし、家族の心理的負担が大きくなってしまいます。だからこそ、事前に訃報連絡リストを作成しておくことで、こちら側の負担も軽減されますし、訃報を伝え忘れて無礼になることも防げます。
リストは次のように作成しておきましょう。

葬儀スタイル
最近は葬儀の形式も多様化しており、家族葬、一日葬、無宗教葬など、様々なスタイルがあります。自分たちに見合ったスタイルを事前に検討しておきましょう。以下、スタイル別の特徴をご紹介いたします。

▶家族葬
家族や親族だけが集まって行う葬儀で、ここ最近の葬儀のスタンダードとなっています。「家族」の範囲はご家庭によってさまざまです。同居の家族数名の方もいれば、家族や親戚を合わせて30~40名の家族葬もあります。中には血縁や親縁ではないものの、特に故人やその家族と親しくしていた人が特別に参列することもできます。

▶一日葬
通夜を省略して、葬儀・告別式だけを行う葬儀スタイルです。家族葬でも特に規模を縮小したい方に選ばれています。お葬式の行程を一日で済ますことで、時間的な負担が軽減され、費用もいくぶんか節約できます。

▶無宗教葬
宗教者を呼ばずに執り行う葬儀のことです。お寺との付き合いをしたくない方、自分らしい葬儀をしたい方に選ばれています。決まった形がないので、葬儀社と綿密に打ち合わせをして、式場内の装飾や式次第を決めていきます。

▶直葬
通夜、葬儀・告別式などのセレモニーを行わずに火葬だけをする葬儀スタイルのことです。葬儀の必要性を感じない方、費用を安く抑えたい方に選ばれています。

宗教・菩提寺
わが家がどの宗派に属しているか分からないという人は案外多くいるものです。また、先祖代々を供養してくれるお寺のことを「菩提寺」と呼びますが、それがどこにあるのか分からないという人も少なくありません。
仏式葬儀を希望するのであれば、僧侶の存在は必要不可欠です。まずは自分たちがどの宗派に属しているのかを確認しましょう。菩提寺があればあわせて「いつの日か葬儀をお願いすることになると思う」と連絡を取っておいてもよいでしょう。

ご遺体の安置場所
いざご逝去を迎えたら、速やかに病院から故人を運び出さなければなりません。どこに搬送するかを事前に考えておきましょう。選択肢は自宅か、葬儀社の安置室のいずれかです。もしも自宅に連れて帰るのであれば、どの部屋に安置するかを決めておき、きれいに整えておきましょう。

遺影写真
葬儀をする上で遺影写真はとても大切なものです。参列者は遺影を見て、故人の生前を偲び、冥福を祈ります。また、葬儀後も遺影はずっと自宅に残るものです。だからこそ、家族が納得する一枚を選びたいものです。
実際に葬儀の現場では、限られた打合せの時間の中で、いい写真が見つからずに慌ててしまうケースがよくあります。最近では写真店で事前に遺影用の写真を撮影する人も少なくありません。余裕をもって準備しておきましょう。

よりよい葬儀のためにも葬儀社に事前相談を

ここまで見てきたように、葬儀はいつ発生するか分からない上に、ご逝去から2~3日以内に全行程を済ませなければなりません。打合せで決めなければならないことも多く、落ち着いた判断ができないのは仕方のないことです。だからこそ、時間に余裕のある内に葬儀の事前準備をしておきましょう。そして準備の中で必ず分からないことが生じるはずですから、そんな時こそ葬儀のプロである葬儀社に相談しましょう。いくつかの葬儀社を見て回ることで、きっと「ここにお願いしたら安心できそう」というところが見つかるはずです。
よりよい葬儀のためは、まずは安心できる葬儀社に相談することです。

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  • この記事を書いた人
蜷川 顕太郎

蜷川 顕太郎

最後の刻も故人様らしく迎えられるように全身全霊を尽くします。

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