火葬とは?火葬の流れ、所要時間や必要なものを分かりやすく解説

火葬とは、故人の遺体を焼却して遺骨にすることですが、火葬がどのように行われるのか、火葬場での過ごし方など、分からないという方も少なくありません。この記事では、葬儀後の火葬について、または通夜や葬儀などを行わない「直葬」における火葬について、詳しく解説いたします。

火葬についての基本的知識

火葬とは、遺体を焼却して遺骨にすること
火葬とは、ご遺体を焼却して遺骨にすることです。世界各国を見渡すと、土葬(土の中に埋葬するや水葬(海や川に流す)など、さまざまな葬法がありますが、日本ではほぼ100%に近い割合で火葬が行われています。つまり、日本人ほぼ全員が火葬場を通って、人生を締めくくることとなるのです。

火葬場について
日本全国を見渡すと、火葬場はほとんどの地域で自治体が運営しています。東京都などの一部地域では民間業者が火葬場を経営している例もありますが、火葬業務は行政サービスの一環だと言えるでしょう。

名古屋市の火葬場
名古屋市の方には天白区の「八事斎場」が知られています。大正4年開業の歴史ある火葬場で、火葬炉の数は日本一を誇ります。しかし、長年火葬場内の混雑や周辺道路の渋滞などが問題となっており、これを受けて平成27年には港区に「名古屋市立第二斎場」が共用を開始しました。この2つの火葬場に、蟹江町との共用である舟入斎苑(港区)を加え、令和4年現在、名古屋市には3つの火葬場が操業し、市民の火葬を行なっています。

火葬時間
火葬時間は、火葬場によって異なりますが、おおよそ1時間から2時間半です。名古屋市の場合は約2時間くらいです

火葬料金
火葬料金は火葬場によって異なります。自治体による公営斎場の場合、0円〜数千円というところが多いようです。一方、民営斎場の場合は高額になり、たとえば、東京23区内で6つの火葬場を経営する東京博善グループの場合、一般的な火葬等級で75,000円です(2022年12月現在)
名古屋市の八事斎場と第二斎場の場合は以下の通りです。

舟入斎苑(蟹江町の近鉄線より南に住民登録がある方と、名古屋市の一部の方が利用できる)の火葬料金は以下の通りです。

火葬の流れ

昨今のお葬式では、火葬には主に2つのパターンがあります。
ひとつは葬儀・告別式といったセレモニーを終えたあとに火葬場へ向けて出棺して火葬するもの。もうひとつはセレモニーをせずに火葬だけをする「直葬」。それぞれのパターンで火葬の流れをご紹介いたします。

出棺後の火葬の流れ
出棺後の火葬の場合、次のような流れで進んでいきます。

①出棺
葬儀式場から火葬場へ向けて出棺します。故人と喪主は霊柩車に乗り、その他の親族や同行者は自家用車やマイクロバスであとに続きます。火葬場に到着すると、速やかにエントランスからお別れ室へと進みます。(火葬場によって異なる場合がります)

②火葬許可証の提出
火葬職員に火葬許可証を渡します。死亡届、火葬許可証の発行、火葬許可証の提出までは葬儀社のスタッフが代行するのが一般的です。

③読経・焼香
火葬に先立ち、お別れ室にて故人との最後のお別れをします。僧侶に読経をしてもらい、喪主、遺族、親族の順番に焼香をします。

④火葬・待機
お別れが済むと、棺を火葬炉の中に納め、火葬が始まります。火葬時間は約2時間で、その間は待合室やロビーで待機します。この時間中、喪主が同行の親族たちに茶菓を振る舞うこともできますし、地域によっては昼食をとるところもあるようです。

⑤拾骨
火葬が終わると、火葬炉の前に戻り、拾骨を行います。二人一組になって箸を持ち、お骨を骨壺の中に納めます。拾骨では、竹と白木の異なる木を組み合わせた箸を用いるのがしきたりです。また、箸を「橋」と見立て、故人をこの世からあの世に向けて橋渡しをするという意味が込められています。

⑥式場に戻る
火葬が終わると、再びマイクロバスなどに乗車して、式場に戻ります。

その後、初七日法要や精進落としを行います。火葬が終わると、「火葬済み」の印が押された火葬許可証が手渡されます。お墓への埋葬の際に必要となるので大切に保管しておきましょう。

直葬の場合

葬儀・告別式などのセレモニーを行わず、火葬だけを行うお葬式を「直葬」と呼びます。直葬の場合も、基本的な火葬の流れは変わりませんが、火葬場に到着したら、火葬場への支払い、葬儀社への支払い、火葬許可証の提出などをしなければなりません。また、火葬や拾骨などが終わったあとは現地で解散となります。もしも精進落としのような飲食の席を設けたいのであれば、個別に料理店などを手配しておきましょう。

副葬品について

副葬品とは、故人と共に柩の中に納めるもののことです。家族や親族らは、副葬品に思いを託して、故人の安寧を願います。

副葬品は古くから続く文化
副葬品の文化は、古今東西、さまざま時代や地域で見ることができます。エジプトのピラミッドからの出土品、中国の秦の始皇帝陵の兵馬俑、日本では古墳の中から発掘された埴輪やさまざまな勾玉、壺や銅鏡など、これらも副葬品の一つと言えます。ひと昔前は日本も土葬が当たり前でしたから、さまざまなものを副葬品にできました。

副葬品は、燃えるものが基本
昨今の日本は火葬が主流です。そのため、副葬品は燃えるものに限られています。出棺の前には柩の中を花でいっぱいにしますが、これらも副葬品の一種だと言えます。その他、故人へのお手紙や折り鶴、故人の愛読書、故人が愛用していた衣類などを納めてあげるのもいいでしょう。ただし衣類は素材によっては納められないものがあるので、事前に葬儀社に確認しておきましょう。

副葬品にできないもの
次に挙げるものは副葬品にはできません。

●金属・ガラス製品など
金属やガラス製品は、融解のおそれがあるため副葬品にはできません。代表的なものに故人が愛用していた腕時計やメガネがあります。普段から身に着けていたものだからこそ、故人の面影が残り、柩の中に納めてあげたいという人は少なくありません。しかし、これらを共に火葬してしまうと金属やガラスが溶けて遺骨を汚してしまうだけでなく、公害の原因にもなります。腕時計やメガネなどは形見分けにしたり、お骨と一緒に骨壺の中に納められる方が多いようです。

●革・ポリエステル・ビニール・プラスチック・ゴム製品
これらの不燃性のものも、副葬品にはできません。革やポリエステルなどの化学繊維を使用した衣類やバッグ、プラスチック製の雑貨やおもちゃなどは、焼却によって溶けてしまうだけでなく有毒ガスが発生する恐れがあります。

●お金
そもそもお金を燃やすことは、法律で禁止されています。最近では故人に持たせる「六文銭」も、硬貨ではなく印刷物に代える対策が取られているほどです。

●カーボン製品
カーボン製品を焼却すると、爆発を起こし、周囲の人に危険を与え、火葬炉の原因となってしまいます。ゴルフクラブ、ラケット、釣り竿、杖などのカーボン製品は副葬品にはできません。

その他、燃えにくいもの
仮に燃えるものであったとしても、燃えにくいために火葬に支障をきたすことも考えられます。辞書のような分厚い本、スイカやメロンのような大きな食べ物などは避けるべきです。また、そもそも副葬品が大量になってしまうと、それらをすべて焼却するのにまず時間がかかってしまいます。副葬品は適切な量に留めておきましょう。

いかがでしたでしょうか?
火葬について分からないこと、疑問に思うことがございましたら、西田葬儀社にまでご相談下さい。

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