お供えは何にすれば良いか。シーン別、品物別にポイントを解説

葬儀や法事は故人様を偲ぶ大切な儀式です。そんな時、心を込めたお供えをしたいと考えるのは自然なことでしょう。しかし、どんなお供えが適切なのか迷うこともあります。
 
この記事では、葬儀、葬儀後の弔問、法事といったシーン別に、どのようなお供えをすると喜ばれるかを解説します。ぜひ参考にして、心のこもったお供えを選びましょう。

シーン別 お供え物にすべきもの

まずは、シーン別に、どのようなお供え物を持参したらいいかを考えてみましょう。
ここでは、葬儀、葬儀後の自宅への弔問、法事の3つのシーンにおいて、適切なお供え物をご紹介いたします。

葬儀へのお供え

まず葬儀へのお供えについて解説します。
基本的には、香典を持っていくことが一般的です。香典は、故人様への最後のお礼の意味を込めて贈るものです。香典袋には、相応の金額を入れ、表書きには自分の名前と住所を記入しましょう。
 
その他にも、供花や果物籠が選ばれることがあります。供花は、故人様への敬意を示すもので、葬儀場やお通夜の会場で花を飾ることが一般的です。
また、果物籠は、故人様の好きだった果物を選ぶと喜ばれます。供花や供物は葬儀社を通じて申し込むのが基本です。
 
葬儀会場に弔問できない場合は、弔電を送ることもでき、これもお供えの内のひとつです。弔電はNTTや電報各社に依頼します。
 
供花、供物、弔電など、伝統的に行われているお供え物はもちろんですが、その他にも個人的に心を込めたお供えをしたいという人も少なくありません。
 
お線香や菓子折りも選択肢の一つです。お線香は、故人様の冥福を祈る際に焚くもので、菓子折りは、故人様が好んだ菓子を選ぶと良いでしょう。
また、自宅への枕花(故人様の枕もとに供えるアレンジメント)や、枯れることのないプリザーブドフラワーなども喜ばれます。

葬儀後の弔問の場合

最近は家族葬が多く、葬儀の後に訃報を受け取ることもあります。そんな時には、葬儀を終えたあとに自宅に弔問するという人も少なくないでしょう。
 
弔問の際は、香典を持参するだけで充分ですが、これにお花やお供え物を添えるととても丁寧な対応となります。
 
弔問でのお供え物によく選ばれるのが、進物用のお線香です。桐箱や塗箱に納められた高級線香は大変喜ばれます。おうちの方は、普段自らが高級線香を買うことをあまりしないため、お供えでいただいたお線香は大事に使われることでしょう。
 
また、焼き菓子などの詰め合わせも人気です。ここでのポイントは、日持ちがして個包装のものです。
ご遺族からすると、生ものをいただくと、その処理に困ってしまいます。すぐに食べきれないものは処分しなければなりません。日持ちがして個包装されたものであれば、急な弔問客に振る舞ったり、法事などで大人数が集まった際にもお茶菓子として差し出すことができます。
 
お線香にせよ、お菓子にせよ、さまざまな香りや味のものがあります。故人様やご遺族が喜びそうなものを選ぶと、家族にとっても心温まるお供えとなります。

法事へのお供え物

法事は、故人様を偲び、先祖を供養するために定期的に行われる儀式です。
 
法事のお供えには、祭壇や仏壇脇に飾ることのできるお花が喜ばれます。特にアレンジメントは、花瓶に活ける手間が省け、手入れがしやすいのでおすすめです。
 
また、「葬儀後の弔問の場合」の章でも触れましたが、進物用のお線香や、お菓子の詰め合わせも喜ばれます。
 
お線香は、お参りの際に焚かれることが多く、故人様や先祖の冥福を祈るものです。菓子折りに関しても、故人様が好んだものや家族が好むものを選ぶと良いでしょう。

品物別 お供え物の特徴と費用相場

次に、品物別に、それぞれの特徴や費用相場、さらには注意点について解説いたします。

フラワーギフト

お供えのためのフラワーギフトは、故人様に敬意を示し、葬儀や法事の雰囲気を彩るものです。
主なフラワーギフトには、葬儀会場に出される供花、故人様の枕元にお供えする枕花、葬儀後の祭壇や仏壇の脇に置くフラワーアレンジメント、水やり不要のプリザーブドフラワーなどがあります。
 
以下で、それぞれの特徴、費用相場、お供えの際の注意点を解説します。

葬儀会場に出される供花

葬儀会場の祭壇両脇に、芳名板を付けてお供えする籠花のことです。葬儀社に注文し、費用相場は1基あたり1万円~2万円です。故人様と親しい関係にあった方の場合1対(2基)出すこともあります。

枕花

枕花とは、ご逝去後、自宅に安置された故人様の枕元に供えられるお花のことです。故人様が最後に安らかに眠れるよう願いを込めたもので、フラワーアレンジメントの形でお供えされることが多いようです。費用相場は、5千円~2万円程度です。
お供えの際は、故人様や家族の好みを尊重し、白を基調として過度に派手でないデザインを選ぶようにします。

祭壇や仏壇の脇に置くフラワーアレンジメント

葬儀後の後飾り祭壇や、仏壇の脇にお供えするフラワーアレンジメントも喜ばれます。四十九日を過ぎれば、色花をお供えしても問題ないとされています。きれいな花をお供えすることで仏間全体が華やぐことでしょう。
費用相場は、5千円〜2万円程度です。

プリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーとは、特殊な加工を施した生花で、水やりや手入れが不要でありながら、長期間美しい状態が保たれます。3年ほど経つと劣化が目立ち始めること、水気や湿気に弱いことをご遺族に伝えておきましょう。
予算相場は、5千円〜2万円程度です。

お線香

お線香は、独特の香りが特徴で、その香りを通じて故人様の魂が慰められるとされています。また、お線香を焚くことで、自然と手を合わせ、故人様や先祖を偲ぶ心が引き出されるとも言われています。家の方がなかなか使うことのない高級線香は、お供え物として大変喜ばれています。
 
進物用のお線香の費用相場は、3千円から1万円程度のものが一般的です。お供えの際には、煙が出にくく香りづけがされているものや、白檀や沈香などの伝統的な香木が使われているものなど、故人様や家族の好みや予算に応じて適切なものを選びましょう。

お菓子

お菓子は、葬儀や法事で参列者に振る舞われるもので、家族や来客に対するおもてなしの一環とされるため、お供え物に適しています。
 
お菓子のお供えとしては、和菓子や洋菓子、日持ちがするものが良いとされています。保存性を考慮することで、参列者たちに配ったり、後日家族が食べたりすることができます。
また、個包装されたお菓子は、衛生的で持ち運びやすく、来客にも配りやすいため、好まれます。
 
お菓子のお供えの費用相場は、2千円から5千円程度が一般的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。シーン別、そして品物別にお供え物について解説いたしました。
 
このように、葬儀や法事においては、故人様や家族が喜ぶお供えを選ぶことが大切です。具体的には、故人様が喜びそうなものであることが大前提ですが、その上で、お供えしたあとに家族が処理しやすいような配慮が求められます。香典やお花、果物籠、お線香、お菓子の詰め合わせなど、シーンに応じて適切なものを選びましょう。
 
最後に、お供えをする際は、家族を思いやるマナーも忘れずに行いましょう。特に、家族葬が多い昨今、葬儀後に自宅に弔問する、宅配で贈るなどを選ぶ人も多いでしょう。
 
弔問の際は事前に連絡を入れる、宅配の際は品物と合わせて一筆ほどのお手紙を添えるなどの小さな配慮が、家族への寄り添いにつながることでしょう。

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